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精神科で行われる心のリハビリについて

病気やケガを治療するためにリハビリを行うのは当たり前になっていますが、精神科でもリハビリが行なわれていることは知っていましたか。精神科のリハビリは、精神疾患があることで生活能力や楽しみを失っている人たちに対し、自分らしい生活を取り戻せるように日常生活の作業を通じてサポートしていきます。作業とは、入浴や着替え、食事、睡眠などの必要不可欠なものからものづくりや音楽鑑賞、スポーツなどの趣味の領域まで含まれます。

精神科のリハビリにはいくつかの目的があります。1つ目が症状を安定させるためのサポート。情緒不安定な状態やまとまりのない行動を作業によって調整し、本来持っている健康的な機能を促進していきます。そしてなじみのある作業を行うことでふさぎこんでいた自分の気持ちを表現したり、ストレス発散につなげたりするのです。2つ目が対人関係の改善。複数人で行う共同作業の中ではお互いを認め合ったり、支えたりする場面が出てきます。そういった経験がグループの中にある帰属意識が育ったり、自分の存在価値を見出したりするきっかけになります。そして3つ目が基本的な日常生活のサポート。身体を動かしたり、いつもと時間の使い方を変えたりしながら生活リズムを維持していきます。具体的には生活に欠かせない金銭管理や家事、健康管理などの指導、相談などが挙げられます。

これらの目的を達成するためにサポートを行うのが作業療法士。本人と一緒に目標を決め、二人三脚でリハビリを行います。作業療法士になるには大学や専門学校での学びが大切になりますが、リハビリのプロを育てる専門学校である大阪医専には精神障害専攻という独自の専攻があり、精神的なリハビリに特化して学ぶことができます。関連学科と連携し、治療・リハビリ・社会復帰までの一連の理解を深めて生活機能の向上や社会復帰に役立つ作業療法を身につけられるのも特徴です。私たちがふだん何気なくやっている作業も、健康的な生活をもたらしてくれる大切な活動の一部。こういったリハビリが生活を豊かにし、元気を与えてくれるのです。

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